■棹石(さおいし)
墓石の一番上に位置する石で、竿石(さおいし)・仏石(ほとけいし)とも呼ばれます。「天・人・地」の「天」を表し、
家庭円満の象徴でもあります。一般的に表面は「○○家之墓」と文字を彫りますが、宗派によっては「お題目」「先祖代々之墓」
などの文字を彫ります。
■スリン(すりん)
棹石の下にある飾り石の事で、関西では布団(ふとん)とも呼ばれます。葉状の形をした物は
蓮華(れんげ)と呼ばれ、墓石の外観を立派にしてくれます。
■上台(じょうだい・うわだい)
棹石またはスリン台の下にあり、家名・家紋・建立者名などを彫ります。「天・人・地」の「人」を表し、
人望を象徴しています。
■中台(ちゅうだい・なかだい)
上台の下に位置し、水鉢や花立と一体化した物もあります。「天・人・地」の「地」を表し、財産維持の象徴となっています。
納骨堂の上に位置することが多く、芝台を省略した場合、この部分を下台(げだい)と呼ぶこともあります。
■芝台(しばだい)
墓石の土台となる一番下の部分で、下台(げだい)とも呼びます。墓石を汚れから守り、墓石の景観を
良くする効果があります。また納骨堂のスペースを広げ、香炉・水鉢などの置き台にもなります。
■塔婆立(とうばたて)
卒塔婆を立てかけておく所で、材質は石製やステンレス製のものが一般的です。図の様に外柵に組み込まれた物や
個別に設置する物があります。
■花立(はなたて)
墓石正面の左右にある花を供える所で、水鉢や香炉と一体化した物もあります。花を挿す花筒(はなづつ)は、
花立に埋め込まれた台座に筒をネジ式で取り付ける着脱式と、花立に開けられた穴の中に筒を入れる中入れ式が
あります。
■外柵(がいさく)
お墓全体を囲う石材の総称で、納骨堂も場合によってはこれに属します。土台部分の補強や隣接墓地との境界線を
担っている重要な部分です。
■墓誌(ぼし)
墓石の横に設置してある石板のことで、戒名、俗名、没年、享年、生前の略歴などを彫ります。墓誌がないお墓は
墓石の裏面や側面に文字が彫られています。
■水鉢(みずはち・みずばち)
故人に水を上げるために使用する鉢のことで、上面に数センチほどの窪みがあり、そこへお水を注ぎます。
墓石と一体化した物と、別作りになっている物があります。
■香炉(こうろ)
お線香をあげる所です。一昔前は、仏壇のようにお線香を立てる香立て(こうたて)が一般的でしたが、
雨風でお線香が消えてしまうことが多いため、最近では屋根・壁付きの香炉が一般的になりました。
水鉢と一体化した物もありますが、その場合一度にたくさんのお線香をあげると、水と火によってかなりの温度差が生じ、
ひび割れの原因になるので注意が必要です。
■灯篭(とうろう)
故人の供養、または邪気を払う為に建てる物で、灯籠(とうろう)とも呼ばれます。一対ないし、右側に一基設置するのが
一般的です。
■拝石(はいせき)
主に納骨堂の蓋を指す名称ですが、お墓参りがしやすいように、墓石の手前に敷く石板もこう呼びます。
■納骨堂(のうこつどう)
遺骨を納める場所で、カロートとも呼びます。お墓の地下に設ける場合もあれば、図のように地上に設ける場合もあります。
なお地上に設けた物は丘カロート(おかカロート)と呼ばれ、お墓の奥行きがとれない所や、地下水が出るような所に
おすすめです。